アールグレイは世界三大銘茶ではありません。

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「アールグレイ」=「柑橘系の香りのする紅茶」

というイメージは、多くの方の中にすぐ浮かぶかと思います。

では、それ以外の情報がぱっと出てくるでしょうか??

アールグレイは、喫茶店やカフェには、必ずといっていいほどメニュー表にありますよね。

また最近では、ファミレスのドリンクバーでも見かけます。

ココアやコーヒーの抽出マシンの横にティーパックや茶葉の状態で置いてあるところもありました。

しれっと置いてあったのを見たときは、思わず二度見しました。

それだけ需要が高いのだと実感したのですが、柑橘系の香りのする紅茶”以外”のことはどれぐらい知られているのか??

と疑問に思いました。

「アールグレイってよく聞くけど、柑橘系の香りがする紅茶ってことしか知らない」

「名前は知っているけど、そもそも普段は紅茶をあんまり飲まないから飲んだことがない」

「アールグレイは飲むけど、ストレートでしか飲んだことがない」

などなど。

アールグレイについて、名前以外のことは良くわからない、あんまり知らない。

という方のお役に立てればと思い書きました。

今回の記事は「アールグレイの基礎知識」をテーマに書いています。

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どんな香り?

アールグレイは“柑橘系の香り”のする紅茶だと書きました。

どのメーカーのものも、かなり強めに香りが付いています。

香りは熱を加えると広がりやすいので、もちろんお湯を注ぐと香りがパッと広がります。

しかしアールグレイは、お湯を注ぐ前の状態でも香りは強めに感じます。

強い香りが苦手な方は、少々飲みづらいと感じてしまうかもしれません。

お湯を入れる際に茶葉の量を減らすか、くせのない茶葉にアールグレイの茶葉を少量を加える方法がオススメです。

(私はアールグレイの香りが少し苦手なので、飲むときはこのようにしています。)

柑橘系の香りがするはなぜ?

なぜ紅茶から柑橘系の香りがするのか、不思議ですよね。

アールグレイのあの香りは普通の茶葉に、ベルガモットというオレンジの香りを人工的に付けたものです。

(ここで言っている“普通の茶葉”とは、主に香りや味にクセの無いものを指しています。)

アールグレイ特有の”柑橘系の香りがする茶の木”があるわけではありません。

アールグレイのように、紅茶に別の香りを付けたものを

”着香茶”と呼びます。

着香茶にはアールグレイの他にも種類があります。

アールグレイの派生形にあたる、ベルガモットの香りと何種類かの花の香りを付けた”レディグレイ”

マスカットやイチゴなどのフルーツフレーバー

ラベンダーやカモミール、ミントなどのハーブフレーバー

こういったものも着香茶の括りに入ります。

特に果物の香りをつけたものが人気で、多く出回っていますよね。

しかし、アールグレイは「フレーバー(風味)」を付けただけなので、ベルガモットの味が付いているわけではありません。

アールグレイや一部の紅茶は味がメインで、フルーツやハーブの香りは”相乗効果””装飾”のような役割をしていることが多いです。

※”フレーバードティー”には何種類かの分類があります。

今回はアールグレイがテーマなので、”フレーバー(風味)”を中心にお話ししました。

フレーバードティーの分類に関しては、別の記事でご紹介いたしますのでご了承ください。

柑橘系の香りのする茶葉から出来ているわけではない

アールグレイは、柑橘系の香りのする茶葉の品種があるわけではありません。

先にも少し触れましたが、普通の紅茶にベルガモットの香りをつけているのです。

よく、緑茶と烏龍茶と紅茶は、それぞれの“専用のお茶の木”があると勘違いされることがあります。

緑茶も烏龍茶も紅茶も、すべては”チャノキ”というひとつの木からできるものです。

これと同じように、アールグレイ専用のお茶の木はありません。

生産者が手間をかけて、付けてくれているものなのです。

世界三大銘茶ではない??

多くの方に認知されているアールグレイですが、実は『世界三大銘茶』ではありません。

世界三大銘茶とは

  • ダージリン
  • ウバ
  • キーマン

のことを指します。

多くの喫茶店やカフェ、ファミレスに置かれているにも関わらず、いわゆる紅茶の世界でいう知名度を指すトップ3つに入っていないのです。

日本では認知が広がっている紅茶なのに、意外ですよね。

最近では、世界三大銘茶という呼び方や考え方は、主に日本だけと言われています。

上に挙げた3つはそれぞれインド、スリランカ、中国という茶の生産量がトップクラスの国のものです。

日本人はランキング、好きですからね。

それに代表的なものを作っておくと、ひとつの目安ができるので便利ですから、こういった呼び方が残っているのも納得ですよね。

しかし、時代背景や消費者ニーズは変わっていきます。

今はスリランカの低地で作られた“ルフナ”や、インドネシアで作られた“ジャワ”の人気が上がってきています。

世界三大銘茶という呼び方は、今では日本特有の呼び方なのでご注意ください。

日本は携帯といい、紅茶の呼び方といい、何かとガラパゴス化しやすいなぁと。

正直なところ、知名度だけですとウバやキーマンよりも、アールグレイの方が上の気がします。

ダージリンやアールグレイのように、繊細な香りや華やかな香りがする紅茶の方が、日本人には好まれる傾向があるようです。

名前の由来

では、なぜアールグレイというのか。

「ベルガモットティーで良かったのでは??」

と思うかもしれません。(というより私がそう思っています。)

紅茶に限った話ではないのですが、ネーミングをする際は、それに携わった人の名前が付きます。

アールグレイも例外ではありません。

18世紀に活躍した英国首相、グレイ伯爵が、中国のお茶を気に入ったことから始まります。

同じ紅茶を輸入してほしいと茶の商人に頼みますが難しく、代用として考え出されたのがアールグレイだったのです。

(それだったら、これを開発した茶の商人の名前を付けてあげた方がよかったのでは。)

何はともあれ、開発されたアールグレイが後に英国で大ヒットし、今に至ります。

「無いなら作る。」

茶の商人がやる気を出してくれなかったら、もしかしたら私達はアールグレイというものに出会えなかったかもしれません。

ありがとう商人、ありがとうグレイ伯爵。

美味しい飲み方

紅茶には

  • ストレート
  • ミルク
  • レモン
  • アイスティー

という、基本的なバリエーションがあります。

それに則って飲んでみた感想が以下の通りです。

ストレート

アールグレイは茶葉に香りが付いているので、ストレートで飲んでも華やかな香りがします。

フルーツを切らしているけど、香りの付いている紅茶を飲みたいという時にこのアールグレイ紅茶は活躍してくれます。

香りがついているので、少々個性の強いお菓子や軽食と一緒に飲んでも、紅茶が負けることは少ないです。

ミルク

アールグレイのミルクティーは美味しくないという話を風のうわさで聞きました。

考えられる原因は

  • 茶葉が劣化してしまっている
  • 粗悪品だった
  • 入れ方があまり良くなかった

以上の3点が考えられます。

こういった風潮が出回ってしまうのは悲しいですが、気にせず勧めていきます。

ベルガモットの柑橘系の香りがミルクの匂いを消してくれるので、ミルクティーにしてもすっきりと飲めます。

紅茶はいつもストレートで、ミルクティーをあまり飲まないという方にもオススメです。

レモン

アールグレイは茶葉にベルガモットの柑橘系の香りが付いているので、レモンなどを足して飲む必要がありません。

しかしお好みで、柑橘系の香りをさらに重ねて楽しみたい方におすすめの飲み方があります。

同じ柑橘系のレモンやオレンジといったフルーツを足すと、香りのパーティーが鼻腔で開催されます。

アイスティー

紅茶は基本的に、ホットで飲むのがよいとされています。

香りは熱によって広がりやすくなるが、紅茶は特に香りが繊細で消えやすかったり干渉されやすい。

なので、アイスティーだと香りが広がりにくい場合があるためです。

そのため、ホットが推奨されています。

しかし、こだわりすぎると紅茶の可能性を狭めてしまいます。

そのため、アイスティーのバリエーションも年々増えています。

アールグレイはもともとの茶葉に強めの香りがついているので、アイスティーにしても香りがしやすいのです。

喫茶店やカフェでアイスティーを頼むと、アールグレイで出てくることがあります。

それは、アイスティーでも香りを楽しむことができるからです。

まとめ

今回は、“アールグレイの基礎知識”をテーマに書きました。

まとめると以下の通りです。

  • 柑橘系の香りが付いた紅茶する(使用する果実はベルガモット)
  • 収穫して発酵させている茶葉に、ベルガモットの皮を一緒に置くなどして香りをつけている
  • アールグレイ用の茶の木があるわけではない
  • 世界三大銘茶には含まれていない
  • グレイ伯爵や茶の商人がその気にならないと出来なかった紅茶
  • ストレート、ミルク、レモン、アイスティーどれでも美味しく飲める万能性がある

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