こんにちは、青猫です。(およそ1年ぶりの更新です…!!)
今回は、”紅茶を冷やすと白く濁る現象の正体”と”対処法”についてです。
- 紅茶を飲んでいて、時間が経つと少し濁っていて飲んでも大丈夫なのか心配だった。
- アイスティーを作ろうと紅茶を冷やしたら、見たことのない色になって不安だった。
こんな経験、ありませんか??
この白く濁る現象は防ぐこともできますが、対処を怠ると起こってしまう現象でもあります。
白く濁った紅茶を飲んでも体調に悪影響はありませんが、見た目や舌ざわり、味に影響を及ぼします。
こういった点からみても、紅茶は白く濁らせない方がいいですよね。
対処法も一緒にご紹介します。
敵を知り、己を知れば襲るるに足りません。(何と戦ってるの)
白く濁る現象の正体と原因
名前
今回のテーマにしている、紅茶が白く濁る現象。
この現象の名前を”クリームダウン“または”ミルクダウン“と呼びます。
紅茶がクリームやミルクを入れたときのように、白っぽく濁った見た目になってしまうので、こう呼ばれています。
ストレートでわかりやすい、的確なネーミングですよね。
白く濁る原因
では、紅茶が白く濁ってしまう原因は何か??
いくつかの理由があります。
タンニンとカフェインの結合
紅茶には、タンニンとカフェインが含まれており、温度が高い状態(ホットティー)の場合は水分中に溶けて見えない状態になっています。
ところがお湯の温度が下がっていくと、タンニンとカフェインが結合をし、それが目に見える形で紅茶の中に現れてきます。
タンニンとカフェインが結合してしまった状態。
これがクリームダウンの正体です。
また、このクリームダウン現象は、タンニンとカフェインの量が多い紅茶ほど、起こる確率が高くなります。
クリームダウンが起きるほど、ホットティーを放置することはあまりない(はず)です。
しかし、アイスティーを入れる際は、クリームダウンを防ぐためにタンニンとカフェインの少ない紅茶を選ぶのがポイントです。
ゆっくりとした温度の変化
白く濁る現象、クリームダウンですが、タンニンとカフェインの結合以外にも原因はあります。
それは、ゆっくりとした温度の変化です。
ここでポイントなのが、”ゆっくりとした”という点です。
熱い紅茶を入れたときは、熱湯(100℃が目安)を注ぐので、当然ですが急激に温度が上がります。
その影響でタンニンとカフェインがお湯に溶け出し、入れたばかりの紅茶が白く濁って見えることは
ありません。
また、アイスティーでも同じで、急激な温度変化が大切です。
アイスティーの作り方のひとつに、オンザロックス方式と呼ばれるものがあります。
これは熱い紅茶を氷で急激に冷やして作る方法です。
この方法で作った場合、先ほどのホットティーと同じで急激な温度変化が起こるので、クリームダウンを起こすことは少ないです。
とはいえ、氷が浮いている上の部分はゆっくりとした温度変化が起きています。
その部分から徐々に白く濁ってくるので、あまり長い時間置いておくことはできません。
対処法
さて、見た目や舌ざわり、味に影響を与えるクリームダウン。
白く濁ってしまった紅茶よりも、綺麗な色の紅茶の方がいいのは当たり前ですから、クリームダウンは起こさない方がいいですよね。
そんな厄介な現象であるクリームダウンですが、対処法はいくつかあります。
- タンニンとカフェインの量が少ない紅茶を使う
- 紅茶の抽出時間をいつもより短くする。
- 温度の変化を急激にする
- 砂糖を入れてタンニンとカフェインの結合をしづらくする
- ミルクを入れて誤魔化す(←おい!!)
早速、対処法を詳しく解説していきます。
タンニンとカフェインの量が少ない紅茶を使う
1つ目は、タンニンとカフェインの少ない紅茶を選ぶことです。
タンニンとカフェインの量が多ければ多いほど、このクリームダウンは起こりやすくなります。
アッサムやウバ、ディンブラはタンニンとカテキンの量が多いので、ほぼ確実にクリームダウンを起こします。(むしろこの紅茶でどうやったらクリームダウンが起きないか、偉い科学者に聞きたいぐらいのレベルで起きます。)
なので、タンニンとカフェインの少ない茶葉を選ぶことが重要です。
オススメ茶葉は、以下の通りです。
- ダージリンファーストフラッシュ(※1)
- ダージリンセカンドフラッシュ(※2)
- アールグレイ(※3)
- ニルギリ
- キャンディ
※1 ダージリンファーストフラッシュとは、3月下旬から4月に摘まれる紅茶です”春摘みダージリン”と呼ばれることも。
※2 ダージリンセカンドフラッシュとは、5月から6月に摘まれる紅茶で、”夏摘みダージリン”とも呼ばれます。
※3 ”アールグレイ”とは茶葉そのものではなく、ベルガモットで香り付けした茶葉を指すものなので、アッサムやウバ、ディンブラベースのアールグレイという場合もありますのでご注意ください。
紅茶の抽出時間をいつもより短くする
2つ目は、紅茶の抽出時間を短くすることです。
茶葉の総量を減らしてしまうと、紅茶本来の味や香りがしっかりと出せません。
しかし、抽出時間を少し短くすることは可能です。
抽出時間は茶葉の大きさによって変わりますが、2分程度あれば紅茶の成分や味、香りはお湯へと溶けだします。
時間が長ければ長いほど茶葉の成分は溶けだしていくので、それに伴ってタンニンとカフェインの濃さは上がっていきます。
クリームダウンを起こしたくない場合は、抽出時間を短くすることでタンニンとカフェインの量をコントロールすることである程度は防ぐことができます。
新しく挑戦してみた紅茶を飲んだ時、少し渋みが強いと感じた場合も、この方法が使えます。
抽出時間を短くすることで、渋みをコントロールすることができるので、そういったお悩みを抱えている方は試してみてくださいね。
温度の変化を急激にする
3つ目は、温度の変化を急激にすることです。
先ほどご紹介したアイスティーの作り方のひとつ、オンザロックス方式も、熱い紅茶を急激に冷やす方法です。
オンザロックス方式でアイスティーを作るときは、グラスのふちギリギリいっぱいまで氷を入れることで、熱い紅茶を注いでも急冷することができます。
ゆっくりとした温度変化ですと、タンニンとカフェインの結合が始まってしまうので、急激な温度変化が大切です。
紅茶を氷で急冷してアイスティーを作っても、氷が触れている上の部分はだんだんと温度が下がっています。
その部分はゆっくり温度が下がっていることになるので、紅茶を一気に冷やしてしまったあとは、残った氷を取り除くこともクリームダウンを防ぐ方法として使えます。
砂糖を入れてタンニンとカフェインの結合をしづらくする
4つ目は砂糖を入れる。
え、そんなことでクリームダウンを防げるの??
と思われるかもしれませんが、砂糖を入れていないアイスティーと入れてあるアイスティーでは、いくらかの差がありました。
砂糖を入れることで、タンニンとカフェインの結合を遅らせることができます。
紅茶が熱い状態で入れても、アイスティーにしてからガムシロップを加えても効果がありますので、お好みの方を試してみてください。
ミルクを入れて誤魔化す
5つ目、ミルクを入れて誤魔化す。
これはもう力業ですね。(笑)
白く濁ってしまったのなら、同じく白いものを混ぜてしまえばいいのです。
終わり良ければ総て良し。結果オーライ。(笑)
ミルクを入れるのは、紅茶の味や香りがガツンと強い紅茶がオススメされています。
しかしミルクは、ニルギリやダージリンセカンドフラッシュ、アールグレイに入れても合うので、入れても問題はありません。
もし紅茶がクリームダウンを起こしてしまって、見た目が気になる場合は、この力業もぜひ試してみてください。
“クリームダウンの原因と対策”については、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も紅茶に関するお役立ち情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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